こどもの矯正治療
子どもの矯正治療とは
「子どもの歯並びが気になる!」という親御さんは、実は多くいらっしゃいます。
乳歯から永久歯に生え変わるタイミングや、生え変わった後の歯並びについて「これって大丈夫?」「ちゃんと永久歯がまっすぐ並ぶのだろうか…」というご心配を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
子どもの歯並びを改善する治療は「小児矯正」と言い、お子さんが将来的に正しい歯並び・噛み合わせを維持できるようにサポートするためのものです。
お子さんの症状はどれですか?
歯並びがガタガタしている
歯が凸凹に生えていたり重なり合ったりしてガタガタしている状態を「叢生」と言います。
お子さんの場合、顎にスペースが足りずに永久歯がまっすぐ生えてこなかったなどのパターンで起こりやすい症例です。
前歯が突き出ている
前歯が突き出ている出っ歯と言われる状態は、「上顎前突」と言います。
上顎前突はお子さんによく見られる不正咬合の一種で、早い段階から治療することが可能です。
下の顎が前に出ている
下の顎が突き出ている状態を「下顎前突」と言い、いわゆる受け口、反対咬合とも言います。
下顎前突は大人になってから治療をしようと思うと外科処置が必要になることもあるため、ぜひ小児矯正の段階で改善しておくことをおすすめします。
歯と歯の間に隙間がある
歯と歯の間に隙間があるすきっ歯の状態は、空隙歯列と言います。
乳歯から永久歯に生え変わるタイミングではよく見られることもありますが、その後も改善されない場合には矯正治療を行うことも検討していきましょう。
口を閉じた時、上下の歯が噛み合わない
お口を閉じても上下の前歯に隙間があることを「開咬」と言います。
開咬は指しゃぶりや爪噛みといった口腔習癖によって悪化するとも考えられており、ただ歯並びを治すだけではなく、小児矯正の時代に習癖改善を行うことが重要です。
お子さんの矯正治療を始める時期について
小児矯正には、大きく分けて乳歯から永久歯に生え変わる6歳~12歳の間に行うⅠ期治療と永久歯に生え変わってから行うⅡ期治療があります。
そのため、基本的にはこの期間内であれば小児矯正を開始することが可能です。
しかし、不正咬合の種類によってはそれより以前からアプローチできるケースもあるため、お子さんの歯並びを改善したいとお考えの場合は、4歳~5歳前後を目安に一度ご相談いただけたらと思います。
治療のメリット・デメリット
小児矯正のメリット
将来的な歯並びのコンプレックスを軽減することはもちろん、虫歯や歯周病といったトラブルを予防するという観点からも小児矯正は大きなメリットを含んでいます。
歯並びを正しく整えることで普段のケアが行き届きやすくなり、お子さんのお口に対する関心も高まるでしょう。
また、成人後に矯正治療を行う場合でも、抜歯をすることなく、負担の少ない治療ができる可能性が高くなります。
小児矯正のデメリット
小児矯正は、Ⅰ期治療から取り組むと長い期間を要する治療になります。
そのため、お子さんはもちろん親御さんの協力も必要不可欠となるでしょう。
お子さんのモチベーションをしっかりと維持しながら、正しく装置を用いて治療を続けていく必要があります。
矯正治療の流れ
STEP01
カウンセリング
まずはお子さんのお口について、どのようなお悩みがあるかをしっかりと伺います。
STEP02
検査
実際にレントゲンや歯科用CTを用いて検査を行っていきます。
STEP03
装置の説明
治療に使用する装置を実際にお見せして、使用方法についてわかりやすく説明します。
STEP04
治療開始
実際に装置をつけていただき、治療を開始します。
STEP05
経過観察・メインテナンス
装置をつけている期間は、定期的にご来院いただき歯の動きを確認したり、お口全体のメインテナンスをしたりとしっかりサポートを行っていきます。
矯正装置の紹介
プレオルソ
プレオルソは、小児矯正の時期にのみ使用できるマウスピース型の矯正装置です。
歯が生え変わるより前の乳歯の時期に行える方法で、唇や頬の筋肉の成長を促し、永久歯が正しく生え揃う状態を作っていくことを目的とした治療です。
床矯正
床矯正とは、主に乳歯から永久歯に生え変わるⅠ期治療で用いる方法です。
顎の適切な成長を促し、将来的に生えてくる永久歯がきちんと並ぶためのスペースを確保することを目的としています。
装置の着脱は患者さん自身で行っていただけるため、大きな負担はありません。
インビザラインファースト
インビザラインファーストは、床矯正と同様に乳歯から永久歯に生え変わるタイミングで使用できるマウスピース型の矯正装置です。
通常のインビザラインは歯そのものを移動させることを目的としていますが、インビザラインファーストは顎の正しい成長を促し、永久歯がきちんと生え揃うお口の状態を整えることを目的としています。